タイムスリップしたかのような異空間
『Bar 結』(バー・ユウ)
沖縄中部、かつてコザと呼ばれていた場所に『諸見百軒通り』という、バーや飲み屋が並ぶ繁華街がありました。今はすっかり寂れたその通りの一角、古いビルの奥にぽつんと明かりが。吸い寄せられるように入ってみると、木の扉に、『Authentic Bar 結』と書かれた小さなプレート。 「!!」……扉を開けて中に入った途端、そこには素敵な空間が。コルクボードのような風合いの壁と、黒く塗った木を組み合わせたシックな店内を、温かみのあるオレンジ色の照明がほんのりと浮き上がらせています。 「いらっしゃいませ」カウンターの中から、24歳の若きバーテンダーでありオーナーの鏑木勇斗さんが静かに微笑んで迎えてくれました。岐阜の大学在学中に、30年以上続く名古屋の老舗BAR『YOSHINO BAR』でアルバイトしたのがきっかけでバーテンダーを目指したという鏑木さん。「本当は30ぐらいで東京に店をもとうと思っていたんですが、地元の沖縄でこの空間を見つけて、一目惚れして始めちゃいました」。オープンしてまだ数ヶ月。自分で塗ったという手作りのコの字カウンターには、そんな決意が込められ