こんな本格的な和食が沖縄のコザでも食べられるんだ! と、ちょっと驚きです。「手作り豆腐」「西京味噌焼」「地酒」と書かれた垂れ幕の下がる店の構えも、凛とした日本料理屋ならではの趣。
テーブル席が3つとカウンター席。カウンターの目の前で、和食一筋この道15年のオーナーシェフ、宮城さんが腕をふるいます。その後ろに下がったメニューには、「島豆腐と軟骨ソーキの塩うま煮」なんてメニューもあり、沖縄風の日本料理なのかな? と思いきや、いえいえ、和食の基本をきっちり押さえた確かな料理の数々にビックリ!
お通しの「かつおのポン酢ジュレ」で、もうやられました。細やかな手さばきと、自分でバリカンをかけるというクールなヘアスタイルとのギャップに、もう目は釘付け!
修行先の店で一緒だった仲間が佐賀県で漁師をしているとかで、毎朝生きのいい一本釣りのキンキ、ノドグロなどが届きます。それを見事に盛り付けたおつくりは、とびきり絶品。おろした魚は紙を敷いた桐箱に入れておく配慮、細やかな包丁さばきなどにも心遣いが。
それでいて、価格はご覧のように、とってもリーズナブル!
自慢は、鹿児島県の有名老舗豆腐店から仕入れた豆乳で作る、手作りの「おぼろ豆腐」。塩、わさび、生姜、みょうが添えられますが、塩だけでもう充分においしい。豆の甘みが口に広がります。
オススメのオリジナルメニュー、「鮪、アボカド、クリームチーズ塩昆布海苔巻き」は、細切りの塩コンブをオリーブオイルでトロトロに練ったソースが、アボカドやチーズのネットリ感と絶妙のハーモニーを奏でていました。
もうひとつ、今日のオススメの「淡路島の新玉ねぎ土鍋蒸し」は、見た目にもインパクトがあります。土鍋の底に敷き詰められた削り節が、甘くて柔らかな新玉ねぎのうまみををさり気なく引き立てていて、玉ねぎってこんなに美味しかったんだ! と驚き。
例えば西京焼きというと普通はお魚を思い浮かべますが、この店では敢えて若鶏もも肉を使うなど「崩しすぎないオリジナル和食のメニューをもっと作っていきたい」と語る宮城シェフ。ソウルミュージックの流れる中、カウンターでそんな話をしながら、とびきりおいしい和食と日本酒に酔いしれる。沖縄で和食、悪くないですねえ。
『和彩酒房 宮』
沖縄県沖縄市諸見里1-1-12
098-955-7217
18:00〜0:00(L.O.料理23:00 ドリンク23:30)
日曜定休(日曜のみ10名様〜貸し切りに対応)
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